1.はじめに
極めて攻略価値の高いダンジョンの一つとして大蛇の洞窟が挙げられる。弓カテゴリ最高攻撃力にしてユニークスキル[Lv倍]竜族特効を保有する竜星弓、優秀なブレス耐性と回避能力を持ちながら継承可能な八岐大蛇の大盾。そしてサ魔三種の神器、国崩しの宝珠。どれか一つだけでも取得できれば、ましてや高称号品を入手できればギルドの戦力が跳ね上がるのは確実である。
そのため、障害となるヤマタノオロチと取り巻きに対する攻略および研究は実装当初より積極的に行われてきた。その金字塔が絹様執筆の「大蛇のシンプルな倒し方」であることは議論の余地がない。一撃必殺を狙うことで、全ての装備枠を攻撃に振り向けたこの攻略は、大蛇の、特に恐ろしい大蛇の洞窟の攻略難易度を劇的に低下させた。必見である。もし未読の方がいるのであれば是非一読されたし。
しかしながら、また当然であるが、この『やられる前にやれ』という戦法はバベル周回には不向きである。周回したい時に別パーティと入れ替えても良いのだが、一撃必殺のパーティに投資した折角のリソースを遊ばせているようで非常にもったいない。決して面倒なだけではない。
そこで、本記事においては、恐ろしい大蛇の洞窟と伝説バベルの攻略の両立を図ったところ、成功したのでその編成を紹介するものである。参考にしていただければ幸いだ。
2.敵分析:パーティ編成の方針を立てる
パーティを組む方針を立てるため、まずは敵の攻撃の特徴を分析することにした。
大蛇編
攻撃力45840命中311108攻撃回数368による怒涛の攻撃を一ターンに三度も行う、絶対後列ぶち殺すマン。それが妖怪ヤマタノオロチの正体である。狙われる確率の低さから、適当に成長倍率で体力と回避を盛れば、物理耐性など控えめで大丈夫だろうと、甘い考えの後列ユニットは一瞬で溶かされること間違いなし。
ところが、その攻撃力の約7割は追加ダメージに依るもので、貫通耐性で大幅にカットすることが可能。威力倍率自体は12倍と控えめなため、あとは防御力を高めてやれば安心して戦うことができるだろう。
伝説バベル編
物理攻撃面で特に脅威となるのがエルダー侍に修羅、ファイアードレイクといった超火力低命中の連中である。純粋な攻撃力で殴ってくるため貫通耐性は意味をなさず、威力倍率も非常に高いため半端な物理耐性で受けるのも難しい。
命中自体は低いので、こちらは回避を高めることが有効な対策。伝説バベル踏破のボーダーとして回避5000が挙げられるのはこれが理由。
つまりこういうこと。
- 大蛇:追加偏重必中×3回攻撃
→貫通>物理>回避の順で有効
- 伝バベ:超火力低命中×単発攻撃
→回避>物理>貫通の順で有効
見事に逆。貫通を取れば伝バベが立たず、回避を取れば大蛇が立たない。そこでガチガチに物理耐性を高める方針で行くことにした。目標は前列と僧侶がエルダー侍の攻撃を耐えるレベルまで。十分な回避を確保しているにも関わらず、ラッキーパンチで死亡、戦略が破綻して全滅というのが、前々から当ギルドにおける大きな課題だったためだ。ケルベロス、お前のことやぞ!
3.パーティ紹介およびユニット解説
結果として以下の形に落ち着いた。
- 銀竜戦賢
- ドワーフ侍戦使い魔
- 屍盗mエリート
- 巨人僧修捨て子
- 兎忍m
- サ魔戦天
フルトレハンと耐久を念頭に、サ魔で苦手なエネミーを侍で刈るというコンセプト。戦士の鉄壁と盗賊の結界により物理の大半をシャットアウトする。僧侶も結界を張ることが可能で、救出が不要だった場合、更に侍耐性を高めることができる。
その代償に、サポーターの着火行動が不可能となるため、アタッカーとして攻防に優れる格闘剣士は断念し、単体で攻撃性能が完結した侍を採用することにした。
- 銀竜戦賢
+20%枠としての採用。同じトレハン枠である金竜やピグミーチャムとの最大の差別点は、物理に強い1/2。緑の薬がノーデメリット(ブレス耐性1%→2%)で使えることもあり、銀竜はかなり希少な物理耐性1%を実現することができる。ここにクリティカルガードを積めば正に不死身。
主な役割は鉄壁。パーティメンバー全員の装備枠における耐久負担を引き受けてくれる。というより鉄壁抜きで、指揮下突撃エルダー侍が不屈全開で放つ必殺攻撃を、物理耐性2%以上のユニットが耐えきるのはほぼ不可能である。
サブの役割は僧侶魔法と白銀の吐息。前者はブレスのため、後者はそもそも発動率が低いため、安定した成果は見込めないが、地味に活躍する。
- ドワーフ侍戦使い魔
本パーティの華にしてエースアタッカー。
人間女並みにマイナーだが、ドワーフは侍の弱点補完にそれはもう長けた種族である。
ざっくり説明すると、現実的な称号、装備枠でエルダー侍の攻撃を耐えるほど硬く、45階の屍や46階のドラゴンどもを軒並み切り伏せるほどに手数が多く、あの大蛇を真っ二つにできるほど火力のあるユニット。
運用のポイントはワンパンを意識しすぎないこと。特効の優先順は不死>魔物>神魔。
詳細は別記事にて書く予定。
- 屍盗賊エリート
シールドバリアを張った後は結界生成に専念するのが役割。最速調整。
正直なところ結界はそこまで依存できるものではない。対大蛇ならばともかく、伝説バベル、特に対エルダーにおいては手数で破られることが多く、本命のエルダー侍まで残っていることは稀である。最速調整のアタッカーに対する怒りの一撃対策程度に捉えるのがよい。
安定の耐久で荷物持ちを兼ねる。
- 巨人僧修捨て子
一番調整に苦労したユニット。
なにしろ活躍できそうな長所が下記の通り多い。
- 待機攻撃
- 信仰
- 3回フルヒール
- 1.25ロッド倍率
- 成長1.3倍
- 防御結界(物理)
- 鉄拳制裁
- 怒りの一撃
- 1.5倍反撃適正
- 格闘1.3倍
- 25%回復→攻撃変換
全種族中第2位の体力値による優れた耐久と、ノームに肉薄する高い僧侶適正が見どころ。信仰でパーティヒールが減らないと得した気分。
だが最大の特徴は僧侶としては異常なほどの攻撃能力である。回復変換のお陰でロッドを積めばメキメキと攻撃力が上がっていく。鉄拳制裁と怒りの一撃、トドメの1.5倍反撃適正の存在で、行動回数だって半端なアタッカーより多い。格闘性能に着目しても、ユニークスキルの格闘1.3倍は忍者の格闘1.2を超えており、回復変換を抜きにしても普通の忍者mより攻撃力が高い。前職を君主に、個性を火炎の知識にしてやれば脅威の回復→攻撃変換75%、不死特効3.7倍の絶対エルダー浄化するマンになる。ほんとにあなたヒーラー?
リソースの関係もあり、結局はこの攻撃性能の大半を切り捨てることになった。最遅調整で救出に備え、救出または回復の必要がない場合、物理結界を一枚張ってくれる。怒りの反撃で物理結界を減らしてくれる時も。(トレハン及び耐久の都合で鉄拳制裁は封印した。)
物理耐性の確保においては、これまた難儀した。なんと巨人は、物理耐性1%が実現不可能な種族なのである!体力maxに各種割合カットを完備して、鎧を8個前後装備することでやっと物理に強い2%。これでは素の状態ならまだしも、フルパワーエルダー侍の攻撃で10万ぐらいダメージを受けてしまい耐えられない。対策は後述する。
爆散!グワー!
- 兎忍者m
アタックアップを唱えた後は防御に専念し、劣化と被ダメを抑える。
基礎体力の低さからパーティ中で、一番打たれ弱いユニットである。従って、このキャラの被ダメをどれだけ抑えられるかで、巨人僧侶が物理結界を張れるかが、ひいてはパーティ全体の侍耐性が変わる。15枠の限られた装備枠を全力で耐久に振り向ける必要があり、戦車の装備は断念することにした。
- サイキック魔戦天
いつものとは違い、最速行動と耐久を意識した装備調整とした。
まず最速調整であるが、これは天狐のブースト対策である。本パーティ唯一の全体攻撃役である彼女が先制しないことには、ブースト魔法でパーティ全体が大ダメージを受けた状態でかつ、物理結界の守護なしに修羅や大蛇の攻撃を受ける羽目になる。案外壊滅の要因となった。
続いて耐久だが、勾玉の代わりに黄金の鎧を持たせるといった風に、鎧を多く積み物理耐性を稼ぐとともに、防御力の上がるワンドを優先して装備した。お陰で大蛇の攻撃なら易々と、修羅の一撃でも4万ぐらいの被ダメと、大体の攻撃には耐えることができる。
元の火力がズバ抜けている分、耐久に装備の大半を割いても運用に難のない火力を発揮可能。さすがはコスパの鬼である。
4.運用した感想、反省、対策
強靭…
無敵…
最強ォー!
ということでいかがだろうか。
VS大蛇戦
エルダー侍に耐えることを目標に、耐性と防御力を確保している以上、大蛇の物理攻撃は大した脅威にはなりえない。取り巻きの除去を済ませた後は物理結界も余りがちのため、事故の心配もない。単純に20ターンで削り切れるか否かだけが焦点となる。ログを確認して過剰に思うなら貫通耐性や魔物特攻は削るのもありだろう。
一方で、天狐のブースト攻撃と大蛇の強烈なブレス攻撃には注意する必要がある。先制攻撃で前者なら無効化できるが、後者は膨大なHPのせいで難しい。体力を削った後も、修羅のブレス増幅Lv3や大蛇自身のブレス増幅Lv10で案外痛い。運が悪いと3回連続で放たれることもあり、耐性を甘めにして体力で受けきる方針だと最初に僧侶がこんがり焼かれるケースもあった。
VS伝説バベル
45階、エルダー階層が最大の難関。まず物理の通りが悪い。その上切り捨てた端から蘇ってくる。逆にこちらはどれだけ耐久を用意しても、不屈全開の侍の一撃は耐えられない(銀竜ならこれでも耐える)。
よって、いかにエルダー侍に全力を出させないようにしつつ敵全体を弱らせて、サ魔で纏めて消し飛ばせるかが焦点となる。
ログを見返したところ、フルパワーの侍の一撃をくらうのは、即時蘇生で蘇った後に多いことが分かった。蘇った後に、サ魔がガス欠になっていて仕留められない場合にドカンと、という寸法だ。つまり手数が足りていない。
その対策として、盗賊を息仕様に変更することを検討している。追い打ち用と考えれば、そこまでアイテム枠を割かずに実現可能なのではないかと思われる。
その他の懸念点としては魅了事故と、微妙に称号倍率が足りない気がするということが挙げられる。なんか、たまに称号無しが混ざるような…?
変な拘りを捨て巨人をノームの回避型僧侶にして個性をエリートに、盗賊の個性を賢聖の家系にしてやればマシになるだろう。屍戦竜、エルフ盗m賢、サ魔をピ魔修天とかも面白いか?やらないけど…。
5.終わりに
本攻略法は、王道ではない。
大蛇の洞窟の攻略が難しい理由は、敵方の物理攻撃パターンが両極端な点にある。単発高火力低命中の修羅の攻撃と、超命中からの多段貫通による大蛇の攻撃。この二つの対策を、すなわち回避と、物理または貫通耐性を高いレベルで両立させた上で、大蛇の膨大な体力を削り切るのが難しいから、このダンジョンは難しいのだ。バベル攻略も視野に入れると他の耐性も欲しいのでなおのこと難しい。
ではどうするのか、というと貫通耐性の方は諦める、または最低限に留めて、結界で耐えるのが主流なようだ。取り巻きは開幕核で吹き飛ばせばよい、と。こうすれば普通の伝バベ隊をちょっといじれば済む話で、実際筆者は伝説大蛇をこの方法でクリアすることができている。ただ恐ろしいになるとハードルが流石にきついよ…と。
そこで今回は逆に回避を捨てた攻略を提案することにした。修羅や大蛇、挙句の果てにエルダー侍の一撃すら耐えた上で、彼らを一刀両断する侍の姿は見ていて実に気持ちがいい。上で述べた通り課題もあるし、装備難易度も高いがぜひ一度お試しあれ。
6.冒険の手記をみつけた!
巨人の種族装備、法衣1.4倍と修道者の法衣1.4倍は重複しないぞ!
どっちも同じスキルだからな!
良い子のみんなは気をつけよう!
読破報酬として
直視できない恐ろしい思い出の日記
を手に入れた!
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