Kohmai
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冒ギルのゲームデザイン

ここでは、冒ギルの戦闘システムに関わるゲームデザインについて語ろうと思う

グラフィック、アニメーション、音響、ボイス、
ゲームとして必要不可欠とされているこのご時世において、これらの要素を省き、硬派に戦闘システムをとことん追求した金字塔である冒ギル

その中で、一際目立った要素について取り上げたい

冒ギルのゲームデザイン:行動順

敏捷値に行動速度に影響を与える4つの要素(高速×2.0、先制×1.5、待機×0.67、鈍足×0.5)、そして運によるばらつきで決定される

毎回同じ展開にならないようばらつき要素が大きくデザインされている
そしてダンジョンの難易度が高くなっても敵の敏捷や行動速度に影響を与える変更がない事からもわかるように、ただ早いがいいと言うわけではなく、
どの行動順の期間に行動するかが計算されている

速効型と耐久型という攻略のスタイルの違いが生み出される源泉でもある

シールドバリア、マジックバリア、アタックアップというバフが1ターン目の行動で動くが
それより先に行動すればバリアがない分、つまり倍ダメージを与えられるという事

しかし闇雲に最速攻撃をすればという戦略は、防御結界Lv1で塞がれる

防御結界Lv1の結界回数は1回でないとならない。2回以上貼られると速効戦略が困難になるからだ
結界を破り、アタックアップをかけてから初めて全力の
攻撃を叩き込む事によって敵を壊滅させるコンボが成り立つ

しかしそのためにはランダム要素の大きい行動順が悩ませる

それが狙いでもあるだろう
つまり、毎回ゲーム展開が異なり、大きく勝てる事もあれば負ける事もある、その不確実性が面白さに繋がっている

自動戦闘のシステムの1番の課題は何か?
それは展開が単調になる事。
ある閾値を超えると確実に勝ててしまうデザインではダメなのだ。

レベルや装備資産の幅が広い挑戦者に対して、
装備やレベルが整っていなくてもマグレでも勝てる可能性を作り、
装備が潤沢でもまさかの負ける可能性が残る

熟練プレイヤーは行動順や運が悪く防御乱数が最低の時でも耐えられる防御力を求め、火力運が最低の時でも確実に僧侶役や高火力敵を潰す火力を求めるやり込み要素が生まれる

多彩な展開があるから、多彩な対策を組む喜びが生まれる

冒ギルのゲームデザイン:魔法

ver6とver7とで大きく違うが、本項ではver7について記述する

おそらくプレイヤーは最初、使う魔法や使用順序がコントロール出来ない事に不満を持っただろう。
使う魔法をコントロールする為に払うコストがアイテム枠というデザインは嫌だろう

そして、魔法の使用回数。
1回の戦闘で1回ずつ。10ターン目でもう1回ずつ使得るようになる。
攻撃魔法は7種類。うち、アタックアップとスリープクラウドは打撃に影響しないり
魔法アタッカーとすると5回の魔法で決着を決める事になる

魔法はアイテム装備でどの職業でも覚える事ができる。適正職は覚えさせる手間が不要である

そして魔法の適正職は2種類ある
魔法使いと、賢者である

魔法使いは、魔力回復の手段があり、物理攻撃が当たると魔力が回復(わずかなダメージでも使用回数が全快という大盤振る舞い) でき、長期戦でも魔法が撃ち続けられる
賢者は魔力回復がないが、1ターンに2回魔法が撃てる。賢者のが序盤の瞬間火力が高いが、直ぐに魔法残弾が尽きて復活出来ないデザインとなっている

そこに種族毎に魔法回数の支援機能がつく
サイキックの門戸開放は
使用回数が各魔法ごとに+1回される
ノームの祈りは毎ターン各魔法単位に使用回数が1回回復するというもの
人間女は防御で回復魔法は序盤に撃ち尽くす戦術がある
使う魔法を絞り、全体魔法を1ターン目に確実に使うという方法だ。
コストとしてアイテム枠を使い忘却させ使う魔法を制御する。アイテム枠はあるだけ火力に繋がるので、トレードオフの関係が働く

そして、もう一つの戦術として耐久型がある

トランスと、魔力増幅、各魔法増幅のスキルにより、ターン経過した方が魔法の火力が大きく上がるデザインとなっている

これが速効型に対比される戦術である
これにより棲み分けがなされる筈だった

サイキックのニュークリア3回+門戸開放でさらに+1回 そして忘却の書Lv5の存在、ウエディングドレス(重装装備)と重装無効はバッドデザインと判断している

速効型と耐久型、どちらの役割も最高級の形で実現できてしまうのだ。
そして必殺魔法も独占し、魔法威力が他の種族な追随できない状態になった
もちろん、ver6の魔法よりも、現行環境のが素晴らしいバランスである

そしてサイキックの門戸開放も取得難易度が高い点、核特化がエンドゲームに属する点も考慮すべき点である

また、魔法の威力のばらつきがとても大きくしてあるという点が、バランス崩壊を防いでる楔になっている

魔法威力のばらつきが大きくせざる終えなかっただろう。

全体魔法が安定して高ダメージだと、ワンゲームになってしまう

しかし威力が低いと使い物にならない
その打開策として、ターン経過による増幅、魔法威力のばらつきを大きなものにするという調整に行き着いたと勝手に推測した
不幸かな、Ver7.2時点ではトランスは実はダメージ計算に関与していない事が検証により判明したが、、

まだ楽しめるギミックを詰め込める可能性は残されてると考える

状態異常なり、環境制御で浸水させたら雷攻撃威力増幅などのコンビネーションによる底上げと言ったものだ

自動戦闘なのでこのコンボが成り立つ可能性は高くなくデザインされる
しかしコンボが決まった時は大きな突破口になるだろう

冒ギルのゲームデザイン:救出

自軍の僧侶が救出を覚えると劇的にゲームの安定性が高く感じるが、敵も使い出すと鬱陶しく感じる
なんでこんなギミックが生まれたのか、
しかしこの救出のおかげで、底資産のプレイヤーから、高資産のプレイヤーまで同じダンジョンで楽しめるデザインとなった

救出のコストは回復魔法の使用回数と僧侶の行動回数である
僧侶が行動した後は救出は働かない制約がある

復活の呪文を唱えて蘇生させるではダメだったのか?
救出のタイミングが即時であり、救出されたキャラクターの行動回数や反撃が有効なままになぜしたのか

そして1体だけでなく、複数の対象をまとめて救出できて、しかも倒れなかった仲間も回復させれるパーティヒールの救出はどうしてこうなったのか、思うところがある

そこで、上述の救出の仕様が一つでも違がったらどうなったか考えてみた。

高資産のプレイヤーは、高火力で敵のアタッカーを複数の倒す。復活させても反撃も行動も出来ない状態となる

すると、先制して高火力で殴ればワンゲームが出来上がってしまう
救出が全体にかからなければなおさら

ゲーム展開が単調になってしまう

救出ありきのデザインとなると、速攻で焼き切るという戦術のアンチとなる

逆に耐久型では、救出せずともフルヒールをはじめとする回復魔法をターン経過と共に消費していくのと、救出されても次のターンで倒せばいいので安定できる

救出前提であると、火力が青天井になっても何とかバランスを保てるという点もいい

プレイヤーは爽快感を感じる
高火力でものすごい大きなダメージを与えられるという

アンデットのデスマーチや即時蘇生のギミックも味付けとなる

少数の高火力の攻撃に対する対策としての救出
底火力でも手数を多いスタイルを救済するデザインであろう。

実に美しい

冒ギルのゲームデザイン:装備

自動戦闘ゲームでユーザがどのように介在するか
装備での調整である。

RPGにある部位スロット式の装備ではなく、
League of legendsのような、アイテム枠の限り、武器や防具をどの様に持たせてもいいスタイルだ

League of legends は自身のスタイルや相手のメタによって装備を変えて対策を取り勝利へ導く対戦ゲームだ

操作キャラが格闘して攻撃するモーションなのに剣を複数持ってても気にしない、そんなゲームだ

武器1つ、防具が部位ごとにそれぞれだと、どうしても汎用的な構成(ビルド)に収束してしまう

その概念が覆った(DODAがルーツかな?)

league of legends やDODAはリアルタイムの対戦ゲームだが、冒ギルは自動戦闘ゲーム

事前の準備しかプレイヤーは介在出来ない
出撃させて負けたら、その敗因を分析して対策を取って再度出撃をさせるのだ

そして対策をとる自由度が、アイテム枠である雷に耐性を持つ盾や、魔法のダメージを減少させるローブ。
1つだけでなく複数持たせられる

これにより、複数の弱点を補える装備を組むことができ、正解が一つではなくなるのだ

火力がもう少し欲しければ防具を減らして剣を増やす。
その微調整で突破できる・出来ないが変わる
この感覚は素晴らしい

安定していたチームの装備を1つ拝借して代用で埋めただけ途端に安定しなくなるのは冒ギルユーザーならよく経験する事だろう

単純に火力が高いだけでは突破出来ないのだ。
魔力10万の必殺核特化のサイキック魔戦天でも他のメンバの支援がかみ合わないと伝説バベルが安定しない

自動戦闘のシステムでこのバランスを組めたのは本当に凄い事だと考えてる

どんな頭なりツールを組み上げればこのバランスに仕上げられる調整やパラメータが決められるのだろう

終わり

これらの要素は、冒ギルの面白さの一角にしか過ぎない
されど、この要素はゲームとして押さえておくべきポイントでもあるだろう

単純さと複雑さは両立が難しい、相反するものだが、戦闘が自動処理される事で単純さの印象を与え、装備とキャラのビルドという限られた方法で、これほどまでの複雑な世界を演出するというものは、目を見張るものがある

多くの白黒アイコン達が、日々冒ギルを延々を回し続ける理由の一つだろう

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