ギルドマスターの手記1
この世界には「神器」と呼ばれる非常に強力な武具がいくつも存在している。
そのような貴重な武具を落とす相手は神魔やそれに匹敵する実力を持つ非常に強力な敵であり、一日にそう何度も戦えるような相手ではない。
我がギルドは、そんな神器を求めて彼らとの戦いに明け暮れている。
ギルドマスターの手記2
彼ら神魔が落とすアイテムは多種多様であり、その性能に関しても一概に言えるものではない。
神器の中でも使い勝手の良いものとそうでは無いものの格差は存在する。非常に強力な神器を複数落とす神魔もいれば、扱いが難しかったり性能そのものが低かったりする神器ばかり落とす神魔もいる。
問題はそれだけではない。神魔の中には神器と見せかけてそこら辺の雑魚モンスターが落とすような物を落としていくとんでもない奴らがいるのだ。ここではそいつらについて記しておこう。
ギルドマスターの手記3
ナイトガントレット(アルジュナ)
アルジュナはアマゾネス領に潜む神魔であり、狩人の力を引き出す不思議な弓や敵の貫通攻撃から身を守る貴重な服を持っている。
しかし彼の落とすこの小手はあろうことかそこら辺の森にいるカマキリが落とすものと全く同じなのだ。駆け出しの冒険者ですら持っているような小手を使っていて、弓使いの神魔としてのプライドはないのだろうか?
ギルドマスターの手記4
火竜の秘石(マルコキアス)
マルコキアスは森の地下を根城としている神魔であり、彼が所有する神器の多くはドラゴンブレスに関する能力を持っている。
しかし、どういうわけかこの山道を散歩すればいくつも転がっているようなゴミ同然の石ころを神器と同様に落とすことがある。
いったいそんなものを大事に隠し持っていて何がしたいのであろうか。おそらくだが暇な時はこの石ころを積み上げて遊んでいるのだろう。神魔のくせにやることがしょうもない。
ギルドマスターの手記5
隠れ蓑(メデューサ)
メデューサは魔造生物でありながら並の神魔を凌ぐ戦闘能力と恐るべき石化の能力を持つ強敵である。彼女自体が我々の道理から外れた怪物であるからか、彼女の落とすアイテムは癖の強いものばかりでなかなか扱いが難しい。
ただ、その中でもこの隠れ蓑についてはあまりに大きな装備ペナルティのせいで全く使えないのみならず、ローズウェルの町で戦った傭兵が同じものを持っているなど物珍しさもない。まさしくがっかりレアアイテムにふさわしい一品である。
ギルドマスターの手記6
賢者の守護剣、神竜の牙杖、魔女の杖(イルルヤンカシュ)
イルルヤンカシュとは、海底神殿の最奥にて冒険者達を待ち受けている番人の片割れである。正直この番人どもにはろくな思い出がない。まともに戦うと下手な神魔どもの数倍は強い。
そして、肝心のアイテムだが、この上に記した3種類はいずれもバベルの塔で幾つでも拾えるようなものである。割に合わない。
逆にいうとこいつらと戦うメリットが薄いという意味でもあり、奴らの異常な強さを前にすれば戦わなくて済むというのは救いのようにも感じられる。
ギルドマスターの手記7
神魔との戦いに出した冒険者たちが超レア称号付きアイテムを拾って帰ってきた。俺は一瞬喜んだが、すぐにそれがぬか喜びであった事に気づく。
自慢したい宿った隠れ蓑
俺はそれがメデューサの落としたものだとわかり、ひどく落胆した。こんなところで余計な運を使ってしまった、と。
自慢げにこちらを見る冒険者たちを前にして、一人やりきれない思いが込み上げてくるのだった。
<コンプリート報酬>
自慢したい宿った隠れ蓑(隠弱防ExGP宝名)
を手に入れました。
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